たばこを吸えば痩せるは迷信
日本では女性の愛煙家などの中に「痩せると太るから」と、なかなかタバコを話さない人が多いです。
それどころかタバコをダイエット法と考えて積極的に吸う人もいます。1960年代に欧米で始められて喫煙と体重の調査で、喫煙者の体重が非喫煙者より少ない傾向にあること、喫煙により体重が増加することなどが報告されています。
これがタバコを吸うと痩せるという間違った常識を作ることになっています。
ところが、厚生省が1986年に行った調査ではヘビースモーカーになればなるほど肥満者の割合が増えるという結論が出ました。特に「1日40本以上喫煙する男性」「30本以上喫煙する女性」に肥満が目立つと言われています。
モルモットを使った実験でも、喫煙軍と非喫煙群に分けると、喫煙群では最初の段階では体重が減る傾向がみられました。しかし、時間がたつと喫煙群の方が非喫煙群より体重増加が多いことが確かめられました。
要するにタバコを少しだけ吸う人には痩せることはあっても、ヘビースモーカーはタバコによって太るのです。
健康診断により、たばこを吸う人の血液中の尿さん窒素というものが吸わない人より低く、たばこの量が多くなるほどその警句が強くなることが確かめられました。
これは喫煙によって内分泌反応が進み、体の筋肉が増えた結果だと言われています。
実はタバコを吸うことによって成長ホルモンが増加するというは世界でも常識となっています。これはスポーツ選手の筋肉増強剤と同じ仕組みで、タンパク質を筋肉に変える機能を持つと考えられているのです。
おそらくタバコの成分の中でニコチンがホルモンに影響を及ぼすのだと考えられています。
しかし、たばこをやめると太るという人がいますが、タバコをやめない限り痩せられないというのが真実なのです。
もちろん痩せるために肥満になるかの効果以前の問題として、たばこが健康に有害であることは言うまでもありません。発がん性があることはもちろん、そのほかの健康への影響を考えて煙草に勝る汚染物質はないといってもいいくらいなのです。